★★★★ ハウルの動く城


帽子屋で働く18歳の娘ソフィーは、荒地の魔女に呪いをかけられ老婆に変えられてしまう。呪いの力でそれを人に告げられないソフィーは、町を後にするが、そこで魔法使いハウルの動く城に出会う。

絵、音楽の質の高さは宮崎駿作品の頂点ともいえ、それだけで感動を呼ぶ力がある。アニメ作品で登場人物それぞれの思いをこれほどまでに描きこめるものかとも感心させられる。戦争、人の善性、心の老いとテーマも深く、そのつもりで見ればメッセージも明確だ。

物静かなだけでちっとも魅力的ではなかったソフィーが、老婆に変えられるという試練を受け、ハウルと出会うことにより大切なものを知り、文字通り若返っていく。強い力を持ちながら心は子供のままであったハウルが、守るべきものを得て、成長をしていく。主軸となるストーリーはシンプルではあるが力強い。

しかし冒頭のアフレコは酷い出来で、作品として完成していない。ラストにも安直な無理やり感があり、なんだかとてももったいない。要素要素はすばらしい作品なのだが、全肯定できないのがさびしい。