七原秋也と中川典子が脱出して3年、七原はすべての大人達に宣戦布告をし、東京都庁爆破を敢行する。それに対し政府は、新たに拉致をした中学生のクラスに武装させ、七原率いるテロリストグループ『ワイルドセブン』と交戦させる。彼らは完全な装備を与えられるが、男女2人で一組となり片方が死亡もしくは逃亡した場合は他方も爆殺される。作戦期間は3日間。3日以内に七原を殺害できなかった場合は、全員が死亡することになる。
前作のラストを見たとき、この続きとして七原達の復讐劇を見たいと思った。しかし本作では七原達の攻撃はあまり描かれず、前半はあらたに拉致されたクラスの物語が主となる。この部分ストーリーとしては省くことができないのかもしれないが既視感がある。また前作ほどの描写の丁寧さも、役者の個性もないた。死に方も短い尺で手っ取り早く処理をししまっており、前作との対照が鮮明である。
そのかわり本作は、前作と異なりきわめて現実社会に対するメッセージ性が高い。本シリーズのヒーローである七原はテロリストを自認し、無差別大量虐殺テロを実行した。東京都庁爆破の映像は明らかに911を想起させることを意図しており、七原はアルカイダを連想させる存在として描かれている。七原自身、戦い続ける事に悩みながらも、戦い続けなければいけない理由をもつ。七原にシンパシーを持つ視聴者にとって、この戦いを否定することは難しい。そしてメディアを通じて世界中に蜂起を訴える姿は、身震いがするほど格好いい。またややコミカルにではあるが、アメリカの全世界覇権戦略を批判し、無批判に追従する政府を批判している。
BR法の存在する現実離れをした設定の下であるから、作品中で訴えられる正義は現実社会での正義とは決して同一では。それでも深作健太監督はこの映画に娯楽以上のものを込めたかったのだと思う。
本作は深作欣也監督の製作した前作とくらべて、興行的にも批評家の反応的にも芳しくなかったらしい。前半が前作の劣化コピーにしか見えなかった点でそれは仕方ない部分もあるし、作品作りの丁寧さも劣る。たとえばラスト近く、七原と青井拓馬が脱出するシーンは名作『明日に向かって撃て』の場面を借りているが、ここで観客の意識を他の映画に飛ばすのはいかがなものかと思う。
とはいえ僕としては、本作の方がより感情を移入する理由があり、見ごたえを感じた。