ニューヨークでコメディアンを目指す松井香助(ユースケ・サンタマリア)は、夢破れて故郷の香川に戻る。実家では拓富(木場勝巳)が頑固一徹に製麺所を営んでいた。ある日香助は山中でガス欠となり、宮川恭子(小西真奈美)と出会うが、道に迷ってしまう。翌朝、疲れきったふたりが助けを求めた入った人家もうどん屋だった。香助は親友の鈴木庄介(トータス松本)の誘いで、ミニコミ誌で働き始めることになる。書店周りでヒントを得た香助は、うどん屋をテーマとした特集を作り始めるが…。
香川の素朴な町と人々を背景に、好感度の高いの役者達がハートウォーミングな物語を繰り広げ、安心して愉しめる娯楽映画となっている。しかし味のある演技ができるのが香助の姉を演じる鈴木京香くらいしかおらず、今ひとつ物語に厚みが出ていない。
またCGアニメ、キャプテンUDONの夢のくだりはちょっと大人が直視するには気恥ずかしいし、必要もない。亡くなった父拓富を安易に登場させてみたり、作中でウルフルズのヒット曲を本人が歌ってみたりと、安直な演出が目立つ。またちゃんと観客を笑わせるつもりなら、ブーム到来時の人の数が少ない。もっと津波のように押し寄せてほしい。画面を分割して多数の映像でブームを表現していたが、一つ一つの画面が小さくなった分インパクトが弱くなっている。作中何度も出てくる小さい丘の風景は何を象徴しているのか判りにくく、タイミングもよくない。
ストーリーは観客が望むとおりの予定調和となっており、このタイプの映画としては問題ない。その中で、型どおりでも良いからしっかりと観客を引き込んでいく技術が、この製作陣にはちょっと不足しているように思う。
しかしこの映画に出てくるうどんは本当に美味そうだ。うどんの魅力と出演陣の(素の)魅力、それでなんとか成り立っている映画といえる。
