★★★★ SHINOBI


江戸時代のはじめ、太平の世に伊賀流鍔隠れの里の後継者・朧と甲賀流・卍谷の後継者である弦之介は恋に落ちる。しかし平時に不要な忍の血を絶やすことを画策した服部半蔵より、双方の里より五名の代表者を出して戦えという命が下る。

朧役に仲間由紀恵、弦之介役にオダギリジョーを配し、出演陣は豪華。両主役とも現代的なイメージがあるのでしっぽりしたシーンは少し違和感があるが、演技はまずまず。アクションも上出来で、見ていて楽しい娯楽作品である。ただし朧も弦之介も強すぎて、それまで激闘を繰り広げていた他の忍たちがかすんでしまうのは残念。

最後に二人が対決をする場面、妖術をうまく出せない(封じられた?)朧が小刀を構えて弦之介に飛びかかる。その直前までは忍の運命を受け入れ己の心を殺していた朧だが、最後の瞬間、目を閉じて泣きそうによろめきながら弦之介の懐に飛び込む。弦之介は微動もせず、刃もろとも朧を抱き止める。良いシーンである。

この作品はタイトルがローマ字。作中の人物紹介もローマ字併記となっており、海外興行も想定していたものと思われるが、海外に出るには中国映画ほどの徹底した娯楽性(超現実性?)が足りない。忍が滅びなければいけない運命は理解されないだろうし、仲間由紀恵/オダギリジョーにシンパシーのない外国の観客が見たとき面白さは半減かもしれない。

国内でも評価は低く、興行収入は目標を下回った。『文春きいちご賞』の2005年のワースト1というが、特に破綻もないし退屈もしないし、それほど悪いわけでもないと思う。