★★★  パプリカ


患者の夢をモニタに映し出したり、夢に潜入して治療を行ったりすることができるマシン『DCミニ』が何者かに盗まれた。セラピスト千葉敦子は夢探偵『パプリカ』として患者の夢に潜入して調査を開始するが...。

映像、音楽などの表現が充実していて、見ていて飽きない。アニメ表現の見本として作られた作品というかんじ。ただ面白いことは面白いが、アニメに興味のない一般の方にはあまりおすすめしない。おなじ筒井康隆作品なのに、『時をかける少女』とは方向性がまったく違う。(変わり者の筒井氏としてはこちらが本領か?)

本作の見所は夢をのっとられた被害者が見続ける悪夢の中で、ブリキのおもちゃや家電製品やそのほかガラクタたちが大量に、意味不明の言葉をしゃべりながら更新をする場面。何度も何度も出てきて、この作品の印象を決めている。

パプリカは美人探偵という説明がついているが、容姿も服装も、赤い髪もしゃべり方もまさに娼婦そのもの。これはかなり計算してそうなっているに違いない。夢の中で患者に心を開かせるにはそういうキャラクターがあっている、という作品世界内での説明もできる。アニメ好きな観客にも訴求する。また美人だがやや冷たい印象のある敦子本人とは正反対の仮想キャラとすることにより、敦子自身の変身願望とっ読んでもあながち外れてはいないだろう。

最後に夢と現実が混ざってしまうのは夢ネタとしては陳腐で古臭い。美人で天才の敦子が、同じく天才ではあるが不細工な同僚の時田に思いを寄せているというのもありがち。つまりストーリーが薄っぺらい。あくまでアニメ好きの人のための作品といえよう。