戦国時代、父親が戦に勝つための取引として魔物に体の48箇所を奪われた百鬼丸が、小泥棒のどろろと共に旅をしながら、魔物を一匹一匹倒して体を取り戻していく物語。
手塚治虫の原作では百鬼丸もどろろも少年少女だが、映画では妻夫木聡と柴咲コウが演じるのでだいぶ趣が違う。柴咲コウのどろろは地声でがなり放題、眉間にシワを寄せ放題で、はまり役というか、役者が役を食っているというか、それはそれで面白い。それに比べて妻夫木聡の百鬼丸は普通すぎて面白みが少ない。
この作品は根底が悲劇であるにもかかわらず、百鬼丸やどろろが抱えている闇を描ききれていない。それらしき場面や台詞は配してあるが、どうもコミカルな演出にかき消されてしまっている。エンターテイメント作品といえどだれもが知っている原作を使うのだからもう少し厚みを出してほしい。
また見所になるはずの魔物との戦いの場面が、最初の蜘蛛女(?)との戦いはまあまあだがそれ以降がちゃちすぎる。それに百鬼丸にとって戦いとは己の体を取り戻すための苦行であり、リズミカルな音楽を背景にテンポよく展開するようなものではないはず。どろろも戦いのシーンでは一生懸命なのはわかるが遊んでいるように見えてしまう。魔物の造型もハリウッドを見慣れた目にはおもちゃっぽい。
この映画は続編が予定されているらしい。百鬼丸もどろろもそれなりに愛着をもてるキャラクターなので次回作に期待をしたい。