31歳のルポライター玲(寺島しのぶ)は、頭の中に響く自分の声に悩まされている。『誰かに触れたい』と強く思っているが、傷つけられることを恐れてもいる。ある雪の夜、コンビニで出会った距離トラック運転手の岡部(大森南朋)の無言の誘いに乗り、関係を持つ。そのまま妻子あるという岡部のトラックに同乗してしまい、日本海までの往復を共に過ごす。
タイトルのヴァイブレータはトラックの振動という意味であり、岡部から伝わる鼓動という意味であり、玲の心のゆれという意味でもあるが、もっと直接的に想起されるとおり、本作では大胆な性的シーンが挿入されている。ちなみに私はセックスシーンを見てしまうと、これは手の込んだアダルトビデオの一種ではないかとつい思ってしまい、続きを見る気が失せてしまいがち。どうしても性描写を加えないと表現出来ないアートというものもあると思うが、それはかなり病的なテーマになると思う。
本作では、玲の抱えている病(孤独感?)は深刻である。ラストで玲は自分を『少しだけ良いものになった気がする』というが、たぶんそれは気がするだけであり、早期に医者の治療が必要に思う。同じ廣木隆一の作品『やわらかい生活』で演じた橘優子とほぼ同じキャラ・同じ病であり、優子が本格的な躁鬱病である事を考えると、まるで玲の悲惨な未来を見るようで辛い。
本作、および『やわらかい生活』の寺島しのぶは同年代の女性の支持を集めたというが、いまの30歳台OLたちはそんなにストレスにつぶされそうなのだろうか。とつまらない事を考えてしまった。
