★★★☆ アルゼンチンババア

母が死んだその日、父は葬式にも出ないまま突然いなくなった。残された少女は親戚に助けられながら父の帰りを待つが、そのまま数ヶ月が過ぎてしまう。やがて近所の人が、アルゼンチンババアと呼ばれる老婆が住む草原の中の奇妙な洋館で父親を見つけるが、父は帰る素振りもみせず...。

名優役所広司が意外なほど駄目な男をしっかりと演じる。老作りした鈴木京香のアルゼンチンババアは年齢がよく分からないが、その不思議な雰囲気が立ち上る。なかなかの演技派が揃い、期待感いっぱいで物語が始まるが、どうにも物語が現実離れをしてくる。もしかして駄作なんじゃないかと不安になってくるが、出演者のコミカルと紙一重の演技がなかなかおもしろく、飽きずに観ていられる。そして最後は、思いがけないほどのしっかりした結末で、ホロリとさせられてしまった。

地に足がついた作品ではないが、大人の童話としてはいいかもしれない。