今日も鐘の音で6時くらいに目が覚める。バスは8時40分だが、朝の町を歩きたくて7時前にホテルを出た。人通りの少ないフアレス通りはとても情緒あふれていい感じ。フアレス劇場前のベンチも誰もいない。バスターミナルまでの市バスにどこで乗ればいいか分からなかったが、ゆっくり町の入り口まで歩いたらそれらしいバスが止まっていた。『Central Camionera?』と聞いたらそうだという。あっけなくグアナファトの町を後にして、7時30分にはバスターミナルについてしまった。そこで横向さんという旅行者に会う。サカテカスに行くかモレーリアに行くかと悩んでいたが、結局一緒にグアダハラに行くことにした。グアダハラ行きのバスは今日もサンドイッチがついていたが、けっこう混んでいた。グアダハラのバスターミナルから市内へは市バスで行くが、いろんなバスがきてどれがグアダハラのCentro(中心街)に行くのか分からない。バス停で何かの募金をしているおじさんに聞いたら、あれはちがう、これもちがうと親切に教えてくれ、後からきた係員の人に引き継いでくれた。バスを見ても全然分からないので、聞かないと分からない。10本くらいやり過ごして、20分くらい待ったと思う。
ホテルの予約はしていないので、横向さんとおなじユースホステルに泊まることにした。一人だったら個室を選ぶが、一緒にドミトリーにしてみた。N$155。ユースホステルの中は広くて明るい。壁に壁画風の赤ん坊や少女のなかなか魅力的な絵が描かれている。部屋は二段ベッドが4つ並んでいて、鉄製のロッカーがある。荷物を部屋に置いていく時は南京錠をかけるらしい。フロントの兄ちゃんは完全に英語が通じて安心だ。横向さんとは夕食を一緒に食べる約束をしていったん別れる。荷物を置いて市内観光を始めたのが2時ころ。まずいつも通りカテドラルに行く。次に世界遺産オスピシオ・カバーニャスに向かうが、なぜか全然違う方向へ行ってしまった。地元に人に道を聞いたら、カテドラルに戻って右へ行けという。どうもSuntoのコンパスがでたらめになっているようだ。やはりデジタル計器は当てにならない。
グアダハラは暑い。標高は1500mくらいあるのだが、日差しが強くてフラフラする。ようやく目指すオスピシオ・カバーニャスへ着くが、開いていない。入り口が違うのかと思ってまわりを一周するが、やはり開いていない。シエスタなのか?釈然としないままカテドラル前のソカロに戻り、ハリスコ州庁舎へ入る。ここにあるオロスコが描いたの壁画『立ち上がる僧侶イダルゴ』がすごい。イダルゴは独立運動の火ぶたを切った人物だが、昨日滞在したグアナファトで処刑された。壁画のイダルゴは、その悲劇的な運命を見越しているかのような悲壮な表情で、しかしこの上なく力強く拳を振り上げている。今回の旅行でもっとも印象深い絵だった。
グアダハラ地方博物館に行ってみたが、ここも開いていない。もう一度オスピシオ・カバーニャスへ行ったがやはり駄目。もしかして今日が5/1のメーデーだからだろうか。全然考えていなかった。そういえばソカロや途中の噴水のところに家族連れや子供がたくさんいてどう見ても木曜日というよりは祝日という雰囲気。飛行機を使ってまで足を伸ばしたのに、ちょっと残念だったなぁ。しかたがないのでリベルタ市場で時間を潰す。市場をそぞろ歩くのは楽しいが、人が多いのでちょっと緊張する。
暑くてかなりバテたので、6時30分くらいにユースホステルに戻り、シャワーを浴びて洗濯をする。暑いし空気が乾燥しているので明日の朝までには全部乾くだろう。洗濯中にズボンのボタンが取れてしまった。ソーイングセットはやはり持ってきた方がよかった。8時前に横向さんと合流して、サンディーズというレストランに入る。カテドラル横の公園に面した2階のテラスで、風が心地よい。だんだんと日が暮れてきて、カテドラルがライトアップされるのが見える。なかなかの好ロケーションだ。マセワルのようなトマトスープとモーレソースのエンチラーダス(トルティーリャを煮たもの)を頼む。どちらもなかなか美味い。横向さんは中南米が好きで、何年か前に南米を3週間かけて一周したらしい。夜は宿に泊まらず夜行バスで移動するのがスタイルらしい。かなり旅慣れている様子で、話をしているといろいろ参考になる。彼としては、この町は今回の旅行で回った他の町とくらべて、空き家や物乞いが多くて雰囲気が悪く、好きになれないという。僕は観光スポットだけを見ていたので気づかなかったが、旅慣れると視野が広くなるのかもしれない。旅行中はたいてい一人で食事をするが、こういうときは仲間がいた方が絶対に楽しい。食事代はビールを2本づつ飲んで、1人あたりN$116。
9時くらいにレストランを出て、ライトアップされたカテドラルの写真をバシバシ撮る。ソカロには家族連れもいて楽しい雰囲気だ。マリアッチが聞けるかと期待してリベルタ市場のほうへ行ったが駄目だった。昼間カテドラルで声をかけてきた物乞いの少年がまた寄ってきた。たしかに他の町では物売りはいたが、子供の物乞いは見かけなかったなぁ。媚びたような顔をしてくるが、僕は物乞いには施さない方針だ。
ユースホステルに戻って翌朝タクシーを呼んでもらえるかと聞いたら、外でいくらでもキャッチできるという。12時くらいに寝たが、1時頃になんと窓の外でトンカチを使って何か作るような音が響いてきた。同室のアメリカ人が『Constructing?』といって笑ったが、かなり迷惑だなぁ。ロビーの方からも大音量で音楽をかけて騒いでいるのが聞こえてきた。明日は6時チェックアウトなので寝坊はできない。耳栓をして寝た。夜も騒がしいのがメキシコ人の国民性なのか、今回の旅行では何度も耳栓のお世話になった。ユースホステルは毛布など置いてないのが普通とのこと。どうりでバックパッカーの多くが小さなザックにシュラフを縛り付けているわけだ。幸い、夜は寒くなかった。
