フランス旅行(10日目)ボルドーへ

今日は大西洋岸へ向かい、月の港ボルドーに行く。6時過ぎのGTVに乗ってボルドーに着くのは8時20分。すっかり列車の旅にも慣れて、ゆっくりと過ごす。ボルドーの駅は乗降客が多く、日本人も少し見かける。駅前は工事をしていたこともあってごみごみしており、都会を感じさせる。

ボルドー・サン・ジャン駅から市内へはちょっと遠くて2kmくらいある。トラムも走っているのだが例によって歩いてみよう。道は川沿いになるはずなので、もう少ししたらピエール橋が見えたら右折しよう。

ところがしばらくいても川など見えない。もう一度地図を見直したら。一本道を間違えてボルドー第二大学へ向かう道を歩いていた。ガイドブックの地図は駅まで入っていなかったので勘で歩いていたのだ。というわけで最初に出たのがアキテーヌ門。平日昼間から学生がたくさん集まって何か声を上げていた。

そこから北上して、大時計を経由して目指すホテルへ向かう。大時計はたしかに立派だが、立派なのは時計じゃなくて塔自体の気が...。そのまま大時計をくぐって道なりに行く。道は裏道っぽくなりながら右に曲がって、ガロンヌ川にぶつかる直前にガイドブックに載っているホテルがある。ところが行ってみるとそのホテルは休業中。その隣のホテルも休業中。あれあれと思ってあたりをうろうろして、同じ通りの100mくらいはなれたところにあるホテルに空き部屋があった。

このホテル、部屋代は39ユーロとまあまあ安い部類だが、今回の旅で一番汚かった。最低限の清潔さは確保されているものの、部屋はタバコと脂のにおいが染み付いている。テレビがあったはずのところは引きちぎられていて(?)ケーブルがむき出しになっている。僕はたいていホテルの部屋を写真にとるのだが、ここばかりはそんな気分にならなかった。

さて、町に出よう。空は快晴で真っ青だ。まずはガロンヌ川の川辺に出る。川は思ったよりも流れが荒く、濁った水が波立っている。その代わりなのか、ブルス広場には水深10cmくらい、大きさは50mプールくらいの長方形の池が川と平行に作られていて、その水面が鏡のように青い空を映している。装飾は何もないのだが、なかなか気が利いているとおもう。

そこから川沿いにカンコンス広場の方に歩くが、フランスの広場は何もないところには本当に何もない。ただ空き地があるだけ。かろうじて端にジロンドの記念碑があり、英語とフランス語の銘板が埋め込まれていた。

そこから(ガイドブックによると)フランスでもっとも美しいといわれる大劇場へ出る。柱が整然と12本並んだ重厚な建物ではあるが、外から見るとそれほど美しいとは感じなかった。中は見学できなかった。

大劇場だけではない。これはプランミス、というか週に1度かならず月曜日が回ってくることによる宿命なのだが、ナンシーのときと同様、今日は大概の美術館・博物館が休館しているのだ。こんな日は休館のない大聖堂などをゆっくり見て、町を歩き、おいしいものを食べるしかない。

大劇場の前の道をまっすぐ歩き、右に曲がり、もう一度右に曲がると大劇場に戻る。つまり大劇場を頂点とした正三角形の街区があり、そのあたりがボルドーの繁華街らしい。三角形の中心にはグランゾム・ギャルリーという円形のショッピングセンターがある。こじんまりとしたガラス張りの建物で、ちょっとおしゃれな雰囲気だ。地下に食品スーパーとお惣菜屋があったので、晩飯候補として心に留めておく。

三角形の一辺、トゥルニ広場ではいつものように露店が並ぶ。おなかがすいたのでチョコレートクレープを頂いた。古い新聞を売っているお店があって、1895年以降の好きな日の新聞が買えるらしい。他の町でもあまり見たことがないので、ちょっとした人だかりが出来ていた。

それから市庁舎、サンタンドレ大聖堂へ向かう。サンタンドレ大聖堂は尖塔が見事だ。中は明るく、天井のボールトの掘りが深くて特徴的だ。柱からアーチへ流れるようなラインが美しい。裏側に回ってみたら、修復工事中だった。

市庁舎の裏手にボルドー美術館があり、ここばかりは火曜休館なので今日もやっているはずだ。しかし門は閉まっていて、門番らしい人に聞いても今日は駄目だという。フランス語が話せないので詳しいことはわからないが、中に人がいるので何かやっている様子。そんなわけで昼過ぎでやることがなくなってしまった。

それにしてもいい天気だ。市庁舎前のベンチに座って通りを行きかう人やトラムを眺める。日の光がやけにまぶしく感じる。ホテルで昼寝をしたい気分だが、あのホテルではちょっとなぁ。

ボルドーといえばワイン。町に行けば気軽に試飲などを楽しめるところもあるかと思っていたが、語学の不自由な旅行者では見つけられなかった。こんなことなら前日までに郊外のシャトーへのツアーでも申し込んでおけばよかったと本気で反省。行き当たりばったりでは駄目なこともやっぱりあるのだなぁ。

そんなわけで、ボルドーの一日はほとんど何もできず、だらだらと過ごして終わってしまった。夕食はグランゾム・ギャルリーで買出しをしてホテルで食べた。この旅では毎日ノートに日記を書いていたのだが、この日ばかりは1行も書かなかった。写真も圧倒的に少なかった。誰が悪いわけでもないのだが、ちょっとばかりふてくされた気分だったように思う。