プライミング効果

プライミング効果というものがある。人がある刺激を受けると、その後の刺激に対する反応に影響がでるというものだ。たとえばコカコーラの広告を無意識に見た後で、喉が渇いたなと思ったときに自然とコカコーラを思い出す。つまり最近見たり聞いたりしたものは連想されやすくなるのだ。この効果は広告などで使われているが、普通の仕事の場でも活用できると思う。別にやましいことではない。

たとえば提案をする場合。よい提案とは答えを教えてその正しさを証明して見せるのではなく、こちらの望む結論にお客様自身で達してもらうことだ。そのために有利な判断材料を用意して論理展開を誘導するのだが、注意深いお客様によっては却って疑い深くなってしまう場合もある。誘導されていると気づいたときに一層用心深くなってしまうのだ。

一番いいのは、我々が望む結論をお客様が『思いついて』くれることだ。自分のアイディアなので誰かに騙されたかもとは疑わないし、愛着もある。我々がその正しさを証明してみせる必要もない。

よっぽど形式ばった場でなければ、商談を始める前に挨拶がわりの雑談などがあるだろう。そんなときに、これから提案したい方向性に考え方が類似した、だけど本筋との関連性を気づかれないような別の話題を何気なくふってみるといいかもしれない。そしてその後は一切その話はしない。そうして話の本論に入り、いよいよ結論を出さなければいけないとき、どれが一番いいでしょうねぇと考え込んでみせる。そんな時、お客様が『いい考えがある』と言い出してくれればしめたものだ。

実際の商談はそんなに単純なものではない。だけどこういうことを知っておくと、ちょっとづつ差が出て来るような気がするのだ。